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”らくだキャンプ”へようこそ

深夜に語りたくなったことを主に書くブログ

暇を持て余していた時に何気なく手に取ったものから大きな影響を受けることがある

大学時代、寮の本棚に誰かが残していった漫画があった。

それが「最強伝説黒沢」。その表紙の絵から、その漫画は避けていた。なぜなら、ただのイケてないオヤジが主人公だからだ。福本作品(カイジやアカギの作者)とは分かっていても、手には取らなかった。

 

ある時、飲み会から寮に帰ってきた時、少し暇を持て余していた。この日は、飲みに行った店も微妙だったし、メンツも面白くなかった。しかし、強引に誘われたので行ってはみたものの、やはり想像にたがわずつまらなかった。

盛り上がらなかった飲み会の終了時刻は早い。誰も2次会にも行きたがらなかった。僕はそのまま家に戻って、コンビニで買ったビールとポテトチップスを飲もうと思っていた。特に面白そうなテレビもやっていないので、置いてあったマンガを手にした。

最初に読もうと思っていた本は既に誰かが取っていったようで、既に本棚にはなかった。そこで仕方なしに、最強伝説黒沢1巻を手にとった。

ビールとポテトチップスを開けて、少し食してから、漫画を開いた。

ああ、やはりつまらない。工事現場で働くオヤジの話だった。しかし、他に読みたい本もなかったので、そのまま読み進めることにした。すると、あるページで手が止まった。そこに書かれてあった文章が妙に頭に突き刺さったからだ。

他人事じゃないか…!
どんなに大がかりでも、あれは他人事だ…!
他人の祭りだ…! 

 これは主人公が、サッカーのワールドカップを見ていて発した言葉だ。この言葉は重い。多くの人の胸に突き刺さるのではないだろうか?そう、あればあくまで他人の祭り。今までの人生の多く時間を努力に回してきて、やっとの思いで、ワールドカップという祭りの舞台に辿り着いた選ばれた人の祭り。あそこにいる人のように一途に努力をしていない僕には、あの人たちは別だ。

やるっ…!
でもやる…!
ここでやめたら…
底なしだ…!
俺は底なしに自分が嫌いになる……!
だから… やるっ…!

 中年オヤジの黒沢は、オヤジ狩りに合い、ガキどもにボコボコにされてしまう。そして更に最悪なことに、それを同僚に見られてしまう。ボロボロの黒沢。しかし、黒沢は奮起する。このままでは終われない。その時の発言。人間は草食動物とは違う。生きているだけで勝者ではない。

損得だけで生きて
何になる…? 

 自分が自分を好きでいられるように、自分は何をするべきだろうか?相手が強くても負ける可能性が高くても戦わないといけないことがある。計算だけして生きて何になる。

成功とか 金持ちとか………
仮にダメでも………
本当は問題なし……!
誇れる…!
オレ達は誇りうる………
物語がある…!
ガキの頃から……
何度も言われてきたはずだ…!
男だろ…って…!

 

闘わなきゃ…………
この世に生まれてきたら…………
とてもかなわぬ…
かなわなかろう…と思っても…
闘うんだ……!
尊厳のため……!
胸を張って生きるために………! 

 そんな人生を歩める人間はどのくらいいるのだろう?会社に入ると丸くなれと言われる。尖ったままだと、間違いなく叩かれる。出る杭は。社会とは、そのように出来ている。しかし、出続ける杭は、打たれても、打たれても、自分が正しいと思い、出ることを止めない杭は誰にも止めれない。

 

この日、最強伝説黒沢の全巻を読破した。